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 著 書   『サラブレッド配合史』  『枠目論』 など




 夢の果て

◆なんと、2018年に引越先で、2年ぶりに検索したら、とうとう、『サラブレッド配合史』第2版(定価5,500円)が、149,989円 になっていました。
35年前に、こんちくしょう! と書き上げた本が・・。むむむ。

『枠目論』は100万円で売ろうとしていた本。あれも売れないかな・・・。


な、な、なんと、ついに 149,989円




 夢の果て


 夢の果て

『サラブレッド配合史』は、神保町の古書店では2005年頃に、第3版が13500円前後でした。わたしが読者プレゼント用に買い戻していました。
Amazon で、1984年の初版が55000円、1985年の豪華装丁・第2版が59400円、2000年の廉価版・第3版が24672円になりました。古本屋さんに言わせると、電子書籍は安価でもいやだから、紙の本を手にしたい人の需要も続くようです。ありがとうございます。感謝です。





 花

KADOKAWA /エンターブレイン の ムック『走る馬の見方がわかる本』
(雑誌に連載した「血統表の見方」を、一括で収載)
           ↑ 
は、Amazon で、発売日の翌日夕方の集計で、
取り扱い約190万冊中、117位の売り上げを、記録しました。







2015年4月現在で、著書は16冊です。
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 苦心の作

『サラブレッド配合史』第2版 は、念願の希望の画集の箱入り豪華装丁で、
水雲社から出していただきました。
伊坂孝史さん、ありがとう。




 サラブレ

サラブレに6回連載した「血統表の見方」
翌年、ムック『走る馬の見方がわかる本』にまとめて収載される。
これは『サラブレッド配合史』と並ぶ血統論の自信作です。



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血統論は、23歳頃、POG仲間との同人誌に書き始めました。その頃は新橋の競馬会の4階に軽種馬協会があって、生産者くらいしか読まない輸入牝馬血統表とかを、いちおう業務上発行していたのを、行けば売ってくれたものです。その血統表を見ることで一氣に開眼しました。

73年には既にスズガーベラなどの血統を調べて、〈全兄弟クロス〉などに氣付いて、既に同人誌に書いています。それで、ニアリーなクロスに基づいた配合論を書きたかったのです。


競馬専門紙に就職する経緯は、わたしが惚れ込んでいたカミノテシオの富田牧場に仲介していただいて、その頃既に書き始めていた血統論(『サラブレッド配合史』)の草稿を抱えて、新宿で浅見編集長や佐藤編集局長(ターファイトクラブの佐藤氏のご子息)に会っていただいたら、「すぐ、うちの会社に来なさい」と言われて、行ったら3日目に血統コラム連載を命じられました。それが、また大ヒットでした。運が良かったのかな。

その会社は、先輩記者と会社がボーナス遅配問題でもめて、わたしも、男の連帯とやらで退社してしまいました。

でも、血統論や競馬論を追求したくて、77,78、79年は、仕事終えると家に飛んで帰って競馬の研究ばかりしていました。

当時は、競馬会の雑誌「優駿」に、牧場の人がネアルコ3×4だとか書くくらいが普通の時代で、血統と言えば知識該博な誰もがご存じの山野浩一さんでしたが、あの方は配合論はやらない人でした。白井新平さんの啓衆社も、田辺一夫さん(『サラブレッド、ファミリー』1972啓衆社は名著です)が凄い詳しい方でしたが、配合論はやらない方でした。

軽種馬協会の佐藤正人さんに手紙を書いて、ボビンスキーの本を見せてほしいと頼んでOKを頂いたり、競馬会の新橋の図書室の本を読ませてほしいと競馬会の人に交渉してOKを頂いたり、いろいろやっているうちに、図書室のブルース・ロウの『フイガーシステムによる競走馬の生産』(1942日本競馬会)を見つけ、それに触発されて、どうしても本を書きたくなったのです。

そうしたら、82年と83年に編集プロダクションの仕事で日刊スポーツ北海道版の校正チーフをやることになり、札幌や道営競馬の人の競馬の原稿を校正しているのでイライラして、ますます書きたくなった。


82年に(地方競馬全国協会に勤めていらして、後年、「週刊競馬ブック」で活躍した)フェデリコ天塩氏が、該博な知識を本にまとめて自費出版したのを、天塩氏の邪馬台国研究仲間で、活字界の研究者として名高い府川充男氏がわたしの編集・校閲の仕事仲間だったから、彼に天塩氏の冊子のような資料本をもらって読んで、本邦初公開の明治時代の血統知識などに触れて、止まらなくなりました。

それで一氣に、33歳の1983年に『サラブレッド配合史』を書き上げた。これは、配合史を通説することで、帰納法と演繹法を同時に満たしながら、自説を立証しようとした、大きな夢を隠し持った血統論です。


一流の印刷所で一流の造本をしたくて折衝して、その制作費180万円がなく、飛行機に乗って父に借りに行ったら、何も聞かずにポンと貸してくれた。別れるときに、父はなぜか涙目だった。

自分で岩波書店作製の造本知識の本を片手に、造本を全部やって、制作、印刷所との折衝(当時の最先端の電算写植で、中性紙)、校正、レイアウト、製本材料の選定・印刷所への材料の搬送まで自分でやった。

ダイレクトメールの折衝、制作もやり、サラブレッド血統センターの白井透氏にDM配送先名簿や推薦文などで、お世話になりました。葉書印刷は美しさに定評のある東京美術で、わたしのレイアウトは会心作でした。

ということで、1984年3月に自分の会社を作って、販売、電話応対、入金確認、配送まで、全部自分で編集の仕事の合間にやった渾身の作です。

わたしだけは自信があったというか、あまりに夢中で失敗なんか考えずに、誰もが目の玉が飛び出る、定価5500円で300部発売したら、3週間で全部完売しました。いかに、山野さんの『名馬の血統』くらいしか血統のしっかりした造本の本がない時代に、配合系の血統の本が待ち望まれていたかということです。

本ができて、お金を貸してくれた父に、すぐ送ると、「こんな高い本が売れるか」と言ったが、それは父らしい諧謔で、褒め言葉と受け取った。その2日後に脳溢血で父が急逝する。そのことでわたしは運命論者になってしまった。父には、とても感謝している。


製本している頃に1月から3月まで、五十嵐氏の配合論が「週刊競馬ブック」に連載されたのも奇異な経緯です。それから数カ月、ガリ刷りの血統週報を佐藤洋一郎氏に励まされながら書いていた青木義明氏や、その五十嵐氏と、電話で論争を繰り返す疲れる日々になったものです。

その出版は編集の本業をしながら、睡眠時間を削ってのものだっただけに、出版3日後に父が急逝するし、注文受付から発送まで編集の仕事の傍ら全部自分でやるし、論争はしないといけないし、疲れまくって腎臓結石になって、再版はしませんでした。

そうしたら、読者の水雲社の伊坂孝史氏が自分の会社から出さないかと仰るので、念願の豪華装丁で第2版を金に糸目を付けずに1000部作ったら、5500円の定価なのに、すぐ完売。第2刷も1300部刷ったら、何とか3年くらいで完売。

第3版は、90年代後半に競馬通信社の青木さんが廉価版で出さないかというので、1900円で1000部刷って、なんとか、2005年に完売しました。

その次が、「血統屋」の栗山求氏のお申し出をいただき、電子書籍版第4版を出すことになって、2011年現在、「血統屋」から販売している状態です。




わたしの作った「らんぐる社」判
(写真の上にカーソルを移動すると、らんぐる社の、社名の意味が出ます)



30年以上にわたり、第4版までを、それぞれ異なる4つの出版社から出版された話は、知り合いの出版社の古い人に聞いても、前例がないらしいです。

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サラブレッド配合史 』  1984, 1985, 2000, 2011.

  初 版 は、らんぐる社 から出版。     ASIN: B000J736D2.

  第2版・箱入豪華装丁版は、水雲社から。 ASIN: B000J6P40Q.

  第3版・廉価普及版は、競馬通信社から。 ISBN: 978-4-434006289.

  第4版・電子書籍版は、ミエスク社から、出版されました。

   3版までの書名は『日本サラブレッド配合史』です。


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『日本サラブレッド配合史』の所蔵が確認されている図書館のうち国立、県立などの主なところは、北海道立、国会図書館、都立中央、日比谷、千葉県立中央、千葉県立東部、名古屋市鶴舞中央、国会図書館関西分館、大阪市立中央、鳥取県立、徳島県立、鹿児島県立図書館などです。

国会図書館や都立中央で、コピー依頼する方もいらっしゃったようです。(2004/12 記)


               *


『サラブレッド配合史』の第3版は、神保町の書泉や、JUNKU堂など、都内書店でも大手には置いていましたが、現在は、アマゾン中古だけです。(2011年 記)

 廉価版

第3版は、廉価版で、競馬通信社から出していただきました。


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(初版と2版の定価が5500円だったので価格が高すぎ、コピーされて配布された話も多く耳にしました(笑)。また、図書館に所蔵依頼する方も多く、世田谷の中くらいの図書館でも週に1回は貸し出しがありました。その図書館も何度も盗難に遭って、寄贈するとまた盗難という繰り返しでした。

おそらくコピーも含め実質で5000部以上は流通し、図書館貸し出しを含めて1万か2万人くらいの人の脳裏に入ったと思います。



完売後も、神保町の中古書店で1万3000円くらいで扱われていました。

その後、30年前の定価5500円もする初版や第2版の本が、アマゾンで、定価の10倍もの値段(amazonで最高値=55000円)(2010/8 から 2014/8 まで、この付近)で売買されるようになって、感謝しております。

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 こんなにまで

読者の西川聡一郎氏が、岐阜から東海道線に乗って、わたしのマンションでやっている私塾に参加したとき持ってきた『サラブレッド配合史』。手垢まみれでボロボロになるまで読んでいただきました。後日、写真まで送っていただき、重ねて、ありがとうございます。

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(補遺)

※ おかげさまで『日本サラブレッド配合史』第3版も、2005年11月3日に売り切れとなりました。手にしていただいた方、ほんとうに、ありがとうございます!
完売にあたり、あらためて、制作時の不明点にアイデアを貸していただいた笠間書院編集長・橋本孝氏、当時始まったばかりの電算写植の印刷所を紹介していただいた大野邦雄氏、推薦文を書いていただいたサラブレッド血統センター・白井透氏、第2版の素読み校閲をしていただいた森行和男氏に、あらためて御礼申し上げます。多くの方のご助力は、驚愕的で運命的なものを感じました。(2005/11/23記)


               *

水雲社の伊坂孝史さんも凄い人だった。
青木義明氏のガリ版刷りの競馬通信を印刷雑誌にして、梅ヶ丘の「パンの笛」にまで乗り込んできて熱心に説得されて、他からわたしなど執筆者を呼んで、血統専門誌にしてしまった。
おまけに、『サラブレッド配合史』の第2版を豪華装丁版で世に出してくれた。
血統界に名が遺るべき凄い情熱の人だった。
今はなき水雲社にもっとしてあげられなかったことを悔やんでいる。
伊坂さん、ありがとう。酒をやめたあとでも、ウーロン茶でも片手に飲みに行けばよかったね。(2005/12 記)



 夢 は 駆 け め ぐ る  馬は夢を乗せて走る(西武園遊園地)


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(1990年代の共著やムック)


別冊宝島 vol.187』1993 は、本のようでもある永遠発売のムック・シリーズですが、今でもどこかで売られていると思います。

忘れられない名馬100』1996(共著・100頭の血統批評を担当。学研・絶版)はアマゾン中古にあります。

的中へのアクセス読んで身に付く馬券術』1997(共著・競馬通信社・絶版)もアマゾン中古にあります。読んで身に付くかどうか(笑)。


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●●●  わたしは、このホームページ「ケヤキの向こう」が、(『サラブレッド配合史』、『枠目論』と並ぶ) わたしの生涯の最大の著作物
だと思っています。

2020年8月にup分量300万字を超えました(全角1文字が2byte だから、すべてのファイルの size を数えるとわかります)。毎週入れ替えていたコラムや写真などを換算すると、通算で7000万 byte を超えました。以前は毎週入れ替えていた「日記」の写真や、血統表や、メルマガや新聞のコラムなども、一緒にして本にすると、通算3000ページの分量になります。よく書き、よくぞ、毎週入れ替えの写真まで撮ったものだと思います。これがわたしの粉骨砕身の生きた競馬論です。




 こんなにまで  こんなにまで  こんなにまで



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2011年5月から、
栗山求氏の始めた 血統コンテンツ・サイト「血統屋」 に血統研究家が集まり、電子書籍などのコンテンツの販売を始めました。

わたしは、
『サラブレッド配合史』第4版(『日本サラブレッド配合史』を改題=これは中身は 「配合論」です。)、
書き下ろしの『血統論』初版、から出版を始めました。

競馬史上に画期的な電子書籍の血統ポータル・サイトが新しく誕生したわけです。
栗山求さん、早野仁さん、望田潤さんなどの参加から始まりました。





●● 「血統屋」から出ているわたしの書籍  ●●


サラブレッド配合史』第4版(2011年)

血統論』(2011年)

血統あれやこれや1985年復刻版』(2012年)

週刊競馬通信80年代血統コラム復刻版』(2012年)


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●● 〈DL Market〉 から発行している 予想法 の電子書籍  ●●





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※ 2019年7月をもちまして、DLMarket のネットのサービス終了につき、その後は、わたしのメルアド宛に、購入申込をいただきますと、銀行振込をお願いし、入金確認後、オンラインストレージで送らせていただきます。詳細は「日記」の冒頭をご覧下さい)


■普通のPCだと、[PageDown]キイ を使って、ページをめくってください。




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独自のIDを作ってもよいし、ツイッターID、楽天ID、アマゾンIDでも購入ログインできます。

決済は、カードや、銀行振込やコンビニ払いや、楽天ID決済、電子マネーなどいろいろ選べます。







AJG予想法
2014/8/8 に、「軸馬指数」の1つのファクターである 『AJG予想法』 を単独でPDFの電子書籍にしました。

下記の商品をクリックしてジャンプすると、いきなり、カートが出ます。
商品のページやトップページの「初めての方」と「ご購入ガイド」を、必ず、お読みください。
http://www.dlmarket.jp/products/detail/276461 AJG予想法 (← click)

DVD付きというのは、ファイルをなくさないようにバックアップをDVDにとって、
それも購入するということです。
まあ、ふつうは単品でしょうね。

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(慌ててupしたので、ここに正誤表を載せます w )

●ダービーの文章と図表。ショウナンパンドル⇒ショウナンラグーン
●天皇賞の文章。書くまで⇒格まで
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時計理論におけるスローペースの簡単補正法
2015/2/2 に、スローペースのレースの時計を、暗算で比較できる画期的な方法である 『時計理論におけるスローペースの簡単補正法』 をPDFの電子書籍にしました。

〈DL Market〉 からお求めいただけます。
時計理論におけるスローペースの簡単補正法』 (← click)



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G1データ・最強の発想
2015/4/16 に、十数年使用してきたG1データ22レース分の個性的なデータを、PDFの電子書籍にしました。ときどき、年を経るにつれ、改訂版を出しています。

〈DL Market〉 からお求めいただけます。
G1データ・最強の発想』 (← click)



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枠目論
2012 年にpdf化が完成した、1973年から研究してきた軸枠・軸馬決定法「枠目論」。ついに、電子書籍にしました。

〈DL Market〉 からお求めいただけます。
枠目論』 (← click)




◆ 2016/6/9 告白 ◆
「枠目論」は枠目論研究所から出していましたが、じつは主任研究員はわたしです。あまり、ぶざまなことになったら、恥をかくからやめろという意見が多かったですが、当初から予測したとおり驚天動地の超抜成績ではもちろんないし、でも、まあまあの結果が出ています。軸枠選定法ですが、枠連があたらない人は、どの馬券もあたりません。軸枠決まったら好きな馬券を買えばいいのです。
 G1だけは軸馬を書いています。G1の軸馬連対はメルマガ400号まで出して、44%を維持しています。わたしの「ホースレター」よりは良いです。軸枠選定レースは、今まで4年で1934レースもやって、軸枠連対53%です。
 「枠目論」は1000年経っても、絶対にわたししか思い付かないでしょう。『サラブレッド配合史』と『枠目論』を世に出すのが、転職を繰り返していた貧乏な若い頃からの、大きな切実な熱望した夢中になれた熱い夢でした。
 「枠目論」研究開始以来44年目です。〈全兄弟クロス〉を発見して、血統論の研究を始めて、同じ年に「枠目論」が閃いて、こちらも始めました。出世レールから落ちこぼれて、失恋して、金がなくて、人生どん底のお先真っ暗闇の年でした。

「マーフィーの法則」を何冊も出して、一時売れまくった大島淳一は、じつはあの有名な論客で哲学者の渡部昇一です。彼は、『マーフィー100の成功法則』で、その名前の秘密を、やっと暴露した時に、世間は少しだけ騒ぎました。
 量子脳理論学者の保江邦夫は、とうとうUFOやピラミッドの秘密や、合氣道の研究(保江がやると相手は軽く吹っ飛ぶ。西野バレエ団の西野先生みたい)を本名で始めることになりました。匿名は、めんどうになったそうです。彼がそれを言った時は、世間はあまり誰も騒ぎませんでした。
 彼らも自分の意識の拡大や、自分の研究課題を追究することが、人生の大きな課題であって、世間の評価は無視しました。わたしが「枠目論」をやっていると書いても、別にかまいません。彼らと同じ道を選ぶことにします。保江も大島淳一(渡部昇一)もまあまあ好きな人です。彼等の複雑多岐にわたる世界の有りようは大好きです。評価は世間が決めることです。わたしはわたしの独自の発想を展開していくだけなので、もう66歳、人のことはかまっていられません。

 血統論は外国の研究者にも全然負けていないと思っています。ケン・マクリーンなんて「分子生物学の」成果だなんて、その文献はどこにあるんですか、中学生レベルの詐欺じゃないか。簡単にばれるから、絶対に言ってはいけないことです。「枠目論」なんて、世界の誰も、あと数百年経っても誰も氣付かないでしょう。作家の高橋三千綱のお父さんは『ユダヤ式馬券術』で売れっ子になって東スポなどで書いていましたが、わたしも1カ月ほど愛読しましたが、わたしの「枠目論」は、ああいう実績薄弱な、おもしろおかしいメソッド(たしかに食うためには楽しい発想だ)ではありません。
 1973年から2012年まで掛かって、やっと簡易法が完成しました。詳細法をやったら1000頁では書き示すことはできません。やったとしても、わたしは過労死するでしょう。簡易法も、死ぬまでムリかなと思って生きてきましたが、世間にいじめられているうちに根性が据わったか完成してしまいました。『サラブレッド配合史』と同じで、死ぬ氣でやれば忙しくてもできますね。よろしくお願いします。

 ひとつ、お断りしておきますが、「枠目論」をいかに否定しようと、わたしの血統論は否定できませんので、そのへんで皆様の高貴な批評論理を乱したりしないよう、ご覚悟のほど。

 わたしは血統研究家だけではなく、枠目論研究者はだけではなく、裁判判例校正チームリーダーだけでもなく、バブルの大崩壊を生き抜いた相場師だけでもなく、ネットで言われているらしいが健康法研究家だけでもなく、鉱物コレクターだけでもなく、ジャズや映画志望耽溺経験の落ちこぼれだけでもありません。わたしは笠雄二郎です。

 お見知りおきのほど、よろしくお願い申し上げます。





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KADOKAWA/エンターブレインの ムック Mook
POG・クラブ馬選びに役立つ 走る馬の見方がわかる本
2015.4.2  に、
前年、月刊誌「サラブレ」に6回連載した「血統表の見方」が、他の人の書いた馬体の見方などと一緒に、(平明な血統論として)まとめて収載されました。馬体と血統が教科書的に分かるというのが狙いのムックです。

この「血統表の見方」は『サラブレッド配合史』の初版が出たときから、読者の方に要望されていた平明な血統論です。世界のどこにも見られなかった、平明で包括的で、しかも本格的な血統論になっているのが著者の狙いで、笑みがこぼれるほどの会心の出来です。

もっとわかりやすいものを出してほしい、という要望が出始めて、30年かかって、これを書き上げることができて、心底、ほっとしました。

              * 

血統論は、これで、『サラブレッド配合史』、ミエスクから出た『血統論』、このムックに収載されたサラブレの血統論と、3つ出版されました。
「ケヤキの向こう」の「血統論」も包括的ではないが血統論なので、生涯に4回書いたと数えるのが正しいでしょう。
全部、読んでください。




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 満月
 今日も、無限の叡智を求めて…。
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■■■  わたしの書籍  まとめ  ■■■

『サラブレッド配合史』を、別々の出版社から30年以上、4回も出版。
血統のミエスク社から、他に電子書籍を3冊。
自分で電子書籍化してDLマーケットで売っている本(予想法)が4冊。
2012年に100万字(200万byte) を超えたホームページは、自分では膨大な時間を費やした壮絶な競馬人生録と思っているので、これも競馬論とすれば1冊。

競馬通信社から出た共著の本が1冊。
宝島、学研、KADOKAWA/エンターブレイン などから出たムックが3冊。
(ムックは、ある程度以上のページ数や独創的な内容を書いたものだけ数えることにした)。




●●● 著書 の 生涯の 会心作は
血統論は、『サラブレッド配合史』と「血統表の見方」で完了。
  DNA解析にかかわらず、数十年はOK。
  両方とも上級者向けにもなっています。
予想論は、「予想論電子書籍の4部作」です。
  新発想・新形式のメルマガ「軸馬指数」で、
  統一理論が完成するかどうか、これは未だ完成途上です。
競馬論・人生観は、ホームページ「ケヤキの向こう」で、
  永遠に建築を続けるガウディのバシリカみたいなものです。


<予想コラムの会心作は「予想論」と「日記」のコーナーにあります>






◆血統・POG同人誌、競馬専門紙、書籍、血統専門誌、ムック、マルチメディア有料予想サイト、スポーツ新聞、競馬雑誌、無料メルマガ、ホームページ、電子書籍、有料メルマガ、ブログ、ツイッター、においては、
血統評論家として、ときには競馬評論家として、誰よりも早く手を付け、
「シンプルで美しく、独創的で包括的に」をモットーに、
あるいは、誰よりも早く、運良く、最低限のやるべき目標は達成した。

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 花

  1本1本植えていって(国営昭和記念公園)








・2004/4/8「ホースレター」     配合史発売20周年のご挨拶


・1995週刊競馬通信・重賞回顧    配合史で採ったアプローチの仕方


・2003/09/18「ホースレター」
        ネオユニヴァースが内包するA級配合を歴史的に遡る






 この写真を指でなぞると ひらめきます  ←ジョーク
 ニュートンが万有引力をひらめいたという噂?の
 庭のリンゴの木の株分けされたもの(小石川植物園)









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(配合史発売20周年のご挨拶)

欅欅欅====================================================
 ■■■ ケヤキの向こう ■■■  笠 雄二郎・Yujiro Ryu
Vol. 203 =================================================


● 配合と柔らかさでダンス

 拙著『日本サラブレッド配合史』は2004年3月で発売21年目を迎えることになりました。多くの人に読んでいただいてありがとうございます。いつも頭のどこかで読者のことを考えながら、この20年の日々を生きてきました。

 今出ている廉価版は出版社で3つ目。2番目の水雲社で豪華箱入りにし一部訂正して第2版とし増刷もし、競馬通信社から第3版普及廉価版も出て、いまだに売っている。

 付録の百名馬にしか興味がなければ古くなるかもしれないが、20年たっても数百年のサラブレッドの歴史の検証をくぐった配合論だからわたしは古いとは思わない。出版社に持ち込んでも世に出そうとは言ってくれなかったのに、ひとりで制作して自費出版でダイレクトメールだけ出したら最初の月に初刷りが完売してしまった。類書がない時代に、いかに血統の本に飢えていた人が多かったかということだろう。

 たいていの血統マニアは血統表の中にクロスを発見して小躍りする。わたしはその段階から10年以上寝かせたから、クロスについては徹底的に練り上げ、クロスしない部分も考察した。他の内外の血統研究者が幼く見えるのはサラブレッドの歴史を追ってないし、クロスの考えをシンプルに昇華できていないし、クロス以外のことに対する考察が甘いからだ。

 売れまくったといえるのはたしか第2版第2刷までで、今ではネット書店でランキングを見たら 162316位の売り上げという感心するほど地味な本です。累計1万部の夢は現在の情勢では届きそうにありませんが、今の刷りが完売するまでは淡々と売りますので、読んでいただければ嬉しいです。

 桜花賞は、正月から少なくとも◎を打つことに関しては簡単だと思っていた。

 ダンスインザムードはブルーヘイズの〈全兄弟クロス〉を持っていて、3代母がアメリカンフラッグの〈4分の3同血クロス〉を持っていて、全姉のダンパのときから褒めまくってきた。ムードは新馬戦が美しい走りだったから、うっとりして惚れてしまった。

 氣になるのは全姉ダンスパートナーの桜花賞は京都だった点。この姉妹はテンから2ハロンをギシギシやる阪神マイルの桜花賞ベストとは思えない。スピードが要求される桜花賞は60年代から絶対的なスピードであるレディジョセフィンの血を持つ馬が強くて『日本サラブレッド配合史』にもそう書いた。とくにナスルーラが強く、90年代でもどこか血統表の奥の方に入っている。ダンスには柔軟性抜群のナスルーラがないのが心残りだ。

 でも、サンデーサイレンスにはヘイローにレディジョセフィンの血は入っている。サイアーラインのロイヤルチャージャーもナスルーラと4分の3同血だ。ヘイローの二千的なスピードや、ロイヤルチャージャー特有の加速力が強く表現されれば、つまりサンデーはスピードがあって好位抜け出すタイプで強い馬なら阪神での桜はOKではないかと思う。ナスルーラのほうが粘着力や柔軟性があってギシギシやる桜花賞にはふさわしいのではあるが…、好位抜け出すタイプのサンデーなら、と。

 ダンスインザムードのもう一つの魅力は馬体やフォームが柔らかいことだ。言葉にならないほど柔らかい。こんなんでレースに勝てれば苦労せんよと言われそうなくらい柔らかい。ローテも順調でないし、調教もビシビシやれないし、まだまだ完成とは思えない。前走はさすがに雨も降って2着かなあと思ったが、それでも負けなかった。驚異的だ。馬体もフォームも、もう頭の中がわけがわからなくなるほど美しい。そういうことで、この馬は血統がわたしの配合論のエッセンスだし、◎にして心中してもいい馬だと決意した。こういうわたしのような凡俗の不安を超越できる名馬かもしれないからダンスの単。エルシエーロとのワイドも。
(笠 雄二郎)
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(『配合史』で採ったアプローチのしかた)

1995
クイーンS
  

 牝馬の2000m。17頭のうち9頭に社台血脈が入っている。今の日本の牧場で、スピードからスタミナまでの幅広い血脈をいちばんバランス良く持とうとしているのは社台だろう。

 サラブレッドは競走と生産の両面を持ち、多種の血脈の組合せで永遠に相互に交雑を繰り返す。良質な1600のスピードと、2400のスタミナを相互に取り込まないとマイラーも中距離馬もA級は生み出せない。わたしの考えでは、どこかにキズをつくるとダート馬や条件クラスのスプリンターが生じやすい。また、1200のスプリンターと3000のステイヤーは美しい特異な才能であっても、再生産するのに、けっして使い勝手のいいものではない。それは才能であって、しかも半面、キズでもあるからだ。科学史を引き合いに出すまでもなく、科学のフロンティアは仮説である。

 配合論を述べるには2つの方法がある。文献・学説を明示して絶えず革新される遺伝学の成果のみで語るか、歴史上のA級馬の配合の連続性を検証し、それを説明しうる認識と仮説を展開するかだ。前者が遅れているので、わたしは『サラブレッド配合史』を書くにあたって後者のアプローチを採ることにした。世界の誰かがやらねばならないことだった。それが唯一、科学性を担保する方法論であると信じている。血統論を言うなら配合史を語らなければならない。微力ながらそうすることで 、わたしは上記のような認識に至った。

 テスコボーイのスピードや Quadrangle のスタミナから、サクラキャンドルのような2000の馬を造り、トニービンとの間に1600の日本レコードを出したサクラチトセオーを造ることができる。アメリカも、Inside Informationのように、Damascus や Ribot のような中距離にも強い血脈からも優れたスピードを造っている。突出したスピードでもバランスが良ければ1600くらいの距離はこなすものだ。今回の番組改訂で1200のG1を2つにするのは賛成できない。

 日本の番組はダートと短距離が多くなりすぎた。仕上がり早で勝ち上がりやすい血統に対するニーズが強すぎて、生産界の繁殖資源が1600〜2400芝の本格血脈以外への偏りを見せ、それが回り回って番組のダートと短距離化に拍車をかけている。日本のセダンやチャイナロック、リマンドといった血脈が残った牝系も、じつは大切だし力があるのに、2000で外国馬に敗れるのではなくスピードと安直さを希望する声のために、淘汰されていくとしたら惜しいことだ。2000〜2400のレースにおける社台血脈の占有率は、今後ますます大きくなっていくだろう。 (R)
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2003/09/18 ホースレター
ネオユニヴァースが内包するA級配合を歴史的に遡る


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 ■■■ ケヤキの向こう ■■■  笠 雄二郎・Yujiro Ryu
Vol. 174 =================================================

●重厚な血

 マイル戦線はタイキシャトルやトロットサンダーのような王者不在で、勝ち馬がコロコロ変わる戦国時代になってしまった。オータムHもテンが35秒2のスローで逃げ逃げ。これでは本番につながるかどうかは、またまた疑問になってくる。

 負けた組ではウインラディウスが最悪の位置どりで競馬になっていない。次はどこを使ってきても買いだろう。

 テンシノキセキは一度血統を褒めたことがあるが、坂を克服して本格化したか。末尾に祖母の父 Roi Dagobert の血統背景に少し触れておいた。重厚な血を持つだけにフジキセキのわりに奥があると見ている。

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 ローズSは3強のうち、全馬完調なら◎はアドマイヤグルーヴ。春は不完全燃焼だけに、このレースは買いたい。

 セントライト記念はトリリオンカット。決め手がないから2着なら。スウェインの子でここが2着なら菊も2着というダイワオーシュウやトーホウシデンのようなズブいタイプの菊パターンかもしれない。

(参考・Shantung と Roi Dagobert )

 ネオユニヴァースを褒めるときに、いつも祖母の父シャンタン Shantung (Sicambre×Hyperion)を褒めることにしているが、これはシカンブル Sicambre が父だからではない。

 Sicambre も Hyperion も悪くはないが、Shantung の母 Barley Corn のすばらしさが最大のポイントだ。Barley Corn はメジロティターンの3代母でもある。

 テンシノキセキやエルウェーウィンの祖母の父である Roi Dagobert の祖母が、やはり Barley Corn で、Shantung と Roi Dagobert は、ともに父が Sicambre だから4分の3同血の関係に当たる。

 フィディオンの父ジャカオ Djakao の祖母も Barley Corn だ。ちなみに、メジロエニフ(父フィディオン、母シェリル)は Barley Corn 4×3、Sicambre=Senones 3×3、Tourbillon 5×5という凄い配合をしていて、この馬こそメジロ牧場全盛期の薫り高きエッセンスといってもいいかもしれない。

ネオユニヴァースの祖母の父シャンタン Shantung
Shantung の母 Barley Corn・・・・Selene≒Schiavoni2×2
Schiavoni・・・Pilgrimageの牝馬クロスを含む5種の〈父母相似配合〉
Schiavoni の祖母 Gondlette・・・・The Palmer=Rosicrucian 3×3
Rosicrucian の母 Mme Eglantine・・・・Selim=Rubens 4×4、
                   Cobweb≒Middleton3×3
Rosicrucian の祖母 Diversion・・・・Defence≒Folly1×1、
          (Whelebone=Web 2×3、Little Folly3×2)
(注)≒1×1とは、父と母のそれぞれ4分の3くらいの部分が同血だということ。

 これらの血はすべて歴史的な名血だ。

 こういう風にわたしの配合論のキイである〈父母相似配合〉や〈全兄弟クロス〉や〈4分の3同血(ニヤリーイコール)クロス〉などを見ながら名血を遡っていけば、サラブレッドの配合の祖である Whalebone に行き着く。

 何の証明もないもっともらしい言辞を振りまいたところで、どうなるものでもない。配合論は歴史を一筆書きに書かないと配合論に値しないと拙著『日本サラブレッド配合史』に書いたのはもちろんそういう意味だ。Shantung や Roi Dagobert がその一つの典型を表している。(R)

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