( ↑ タイガース・カラーに変えた。じんせいたの しま な)
ときどき、カラーで競馬のトップページの、馬柱欄(ガン箱)の上に載せていただいた。タイトルは、日曜版の予想になってから「笠雄二郎の血統競馬」に改題しました。
わたしの予想でデイリー関東版が売れるようにならないかと、夜の夢でも、うなされたが、イレ込みが激しかったか(オイオイ)。
6戦連続惨敗して14番人氣になってしまったカンファーベストを◎にしたら、関屋記念を楽勝したが、こういうトップページの時に会心大穴をやりたかった。
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大好きなアーモンドチョコを食べる最後の日。アーモンドチョコはやめても、
血統予想コラムは、これからも毎週、入魂の仕事です。
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※ わたしは予想するときに、人氣の有無には、あまり興味がありません。
■なんとなく自選した、代表作。
好きな馬と、入魂のレースと、穴を当てた馬で構成しました。
・1995年 コラム・デビュー・レース
マイルCS ◎トロットサンダー(4番人氣・重賞未勝利)
・1996年 安田記念 ◎トロットサンダー
・1996年 エリザベス女王杯 ◎ダンスパートナー
・1997年 秋 華 賞 ◎メジロドーベル
・1998年 NHKマイル ◎エルコンドルパサー
・1999年 ジャパンC ◎スペシャルウィーク
・2000年 皐 月 賞 ◎ダイタクリーヴァ
・2001年 皐 月 賞 ◎アグネスタキオン
・2002年 ダービー ◎タニノギムレット
・2003年 皐 月 賞 ◎サクラプレジデント
・2003年 天皇賞 春 ◎サンライズジェガー (8番人氣)
・2004年 桜 花 賞 ◎ダンスインザムード
・2004年 皐 月 賞 ◎コスモバルク
・2004年 菊 花 賞 ◎ホオキパウェーブ (4番人氣)
・2005年 安田記念 ◎アサクサデンエン (7番人氣)
・2006年 関屋記念 ◎カンファーベスト (14番人氣)
・2006年 エリザベス女王杯 ◎カワカミプリンセス
・2006年 阪神JF ◎ウオッカ (4番人氣)
・2007年 クイーンS ◎イクスキューズ (6番人氣)
・2008年 Vマイル ◎エイジアンウインズ (5番人氣)
・2009年 オークス ◎レッドディザイア
・2010年 天皇賞 春 ◎マイネルキッツ (4番人氣)
・2010年 Vマイル ◎ニシノブルームーン (11番人氣)
・2011年 阪神JF ◎ジョワドヴィーヴル (4番人氣)
・2012年 ダービー ◎トーセンホマレボシ (7番人氣)
・2012年 阪神JF ◎ローブティサージュ (5番人氣)
・2013年 菊花賞 ◎バンデ
・2013年 【 コラム降板 決定後 七番勝負 & 1レース 】
( ↑ それぞれの行をクリックすると原稿にジャンプします)
最初は、顔写真付き(1995年撮影)で10年以上書いていたから、競馬場は記者席に行けても立ち見が好きだったし、ウインズの雰囲氣も好きだったのでよく行きましたが、顔を見て読者の方から、よく声をかけられましたねえ。
この写真の、8番人氣で2着にきた春の天皇賞のサンライズジェガーは自信作。文章も確信に満ちあふれていた。
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デイリースポーツ社(当時の 林貴義 編集局次長 兼 レース部長)から、 1995年に、単なる血統だけでなく 配合の視点で書くように要請される。
当時は競馬の媒体というと、血統コラムさえ山野浩一氏と、専門紙時代に書いたわたしや湯川氏くらいだった。配合論で有名な血統雑誌の「週刊競馬通信」では、わたしなどがあたりまえのように配合論で書いていたが、その時代としては画期的な 配合の視点で難しくてもよいから書けなんていう、時代の20年先を行くような凄いことを、前例のないスポーツ新聞で、と言われると、スポーツ新聞の歴史に遺るほど凄いことだった。林レース部長は、それほどの才能のある、競艇でも画期的なことをやった偉い人だったが、競馬専門紙時代から配合論で書いてきたわたしとしては書くのが嬉しかった。
円城寺邦夫デスクから◎にこだわって書くようにアドヴァイスされる。それで、◎を打つ、とか、これが◎、とか、時代の流れよりも◎を用語として多用する。円城寺デスクも「週刊競馬通信」を読んでくださっていた。まあ、一流ジョッキーたちも自腹で購読料を払って読んでいた時代でした。
10年以上にわたって、1週前の日曜夕刊・月曜朝刊に載るから、競馬の世界でいちばん早く掲載される予想で、出走全メンバーも発表前だから知らず、展開もまったく読めず、中間の調教や最終追切りも見ず、馬の調子も知らず、ハンデ発表も待たずに書いて、◎の連対率が4割を超えていたので、競馬予想は誰にも負けないという自負があって、それが秘かな自慢でした。
1997年の銀行がバタバタ倒産した頃は、金融危機だから株をやっている人は日経平均が下がるときはカラ売りもやるんですよ、なんて相場指南を書いたり、編集部の人たちの理解があって、好き勝手やらせてもらっていた。
その頃は、不動産屋へ行くと向こうがわたしのことを知っていたし、銀行へ行って口座を作ると、その書類を持って副支店長がカウンターに来て「笠さんじゃないですか、いつも読んでますよ」と言って、一部ゾロ目の口座番号をプレゼントしてくれたりした。
2005年の秋(AHから)から新聞に載る日が、東日本版の、火曜の「夕刊デイリー」と水曜「デイリースポーツ」朝刊に変更になりました。紙面の曜日的な都合上、行数は減りました。(その頃に月曜に載っていた血統の印はわたしのではありません。)
東日本とは、浜松から東のことみたいです。豊橋の人が毎週、車で浜松まで買いに行っていたそうだから。ああ、ほんと凄い人いる。感謝です。
コラム掲載日は、2006年7月2日から、瀬川レース部長の閃きで、土曜夕刊と日曜朝刊に再度移動しました。新タイトルは「笠雄二郎の血統競馬」です。レース当日版で、全馬の印付きです。カラーページのトップにコラムが置かれる週も当時はたびたびあって、感謝しています。
その頃、サッカーから、競馬を知らないデスクが来て、芸能人のギャルたちが、メイン・レースの いちばん良いカラー・ページで、腰が抜けるような中身のないことを書くようになって、そのデスクも幼稚なコラムを恥ずかしげもなく書く始末で、クロウトっぽい読者の苦言ばかり聞かされた。当然のように、デイリーの読者は他に流れ、夕刊は、とくにガクーンと、みごとなほど劇的に売れなくなっていって、Tスポだけがバカ売れになった。わたしのコラムは何度も何度も行数を減らされて、書くことも行数不足で書けなくなっていった。そして、デイリー夕刊は、あっという間に廃刊になった。林レース部長が定年なしで残っていてくれればよかったのだけど。
※ 2009年11月をもって、「夕刊デイリー」は休刊となりました。昔は首都圏主要駅の売店に夕方19時すぎに到着し、21時の閉店までに、クロウトっぽいファンは夕刊デイリーと決まっていたので、置いている中程度の駅はどこでも50部ほどが飛ぶように売れたものです。それを自分でも買いに行って、読者が買ってすぐその場で開き、わたしのコラムから見始めるのを後ろで隠れて見ているのが楽しみであり、やりがいの源泉でした。でも、紙面変更や新聞不況?などで、21世紀は落ち始め、2007年頃からドスーンと急に売れなくなりました。レースの予想をするファンの方は、金曜・土曜の夜がいちばん考える時間帯で、日曜夕方は、レースの回顧と来週のメイン重賞の展望のために買い、デイリー夕刊を買う人が競馬のクロウトと決まってました。なので、毎日夕方に出る「夕刊デイリー」が廃刊とは、致命的に残念です。
この新しく来たデスクの人は、当たり外れの競争ばかりして、自社メンバーの的中率などを、比較表にして掲げていたが、あれは、やればやるほど逆効果で、わたしは一度意見を言ったが嫌われてしまった。
読者にとっては、当たり外れなんて、外れの酷い人は毎週見ていれば教えてもらわなくても分かる。的中する人も、意外な人は好かれない。問題は、血統論や競馬論や騎乗論や相馬眼などがあって、そういう考えの基礎を築き上げた上に、当たり外れがあるので、基礎を築き上げる競馬論もないのに、調教師の談話が強気だったとか書いて、あたった外れたとやったら、なあんだ、中身もないのに、おまけに外れが多いじゃないかと嫌われるに決まっている。競馬の世界では、大川慶次郎、大橋巨泉、清水成駿とかがファンが多かったが、的中率や回収率は特段凄いわけではなかった。競馬論や、印の打ち方に揺るぎない哲学があって、そういうことには、めちゃくちゃ、うるさい人達だった。そこがわかるかどうかで、新聞や雑誌の作り方は変わると思う。
2013年に、拙コラム1000回記念で、本紙予想をやっていたデスクと最近好調だと盛り上がった翌週に、サッカーから移ってきて競馬も知らずにデスクをやっていた人は昇格してレース部長になっていたが、その人は競馬のケの時も知らないから、競馬の中身の話は3秒以上したことがない。その人から急遽、降板を言い渡された。
まだ、経費がどうのこうの(原稿料は3年前から、既に値下げになっていた)という話と、若い名前も聞いたことのない人への交代を、えへらえへらと無礼な愉しそうな笑い方をしながら言われただけで、いまだに紳士的な降板理由の説明も、20年間の努力に対する労いの言葉も聞いていない。書いていたときも、昔のレース部長やデスクのような、褒め言葉も、激励も、アドヴァイスも何もなかった。最初の名レース部長は、他紙にない長い長い配合論で書きまくれ、距離適性は必ず書け、とか注文が明確だった。最後の問題の人は「こんな長い血統コラムが世の中にありますか」と、何度かの行数削減だけだった。ああいう競馬シロウトをどこかに行かせないと、競馬面はボロボロになっていくことを、組織の誰も進言できないのだろうか。
昔のレース部長やデスクの皆様の、プロフェッショナルな職業人としての高邁な姿勢が懐かしい。こういう世界になってしまったのか。
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自分の血統・配合論で、
一流馬以外を褒めず、
名馬を見抜き絶賛してきたことを誇りに思う。
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曇って蒸し暑い日の井の頭・弁天池
沈みゆく夕陽の残照のなか、池に溶け込みそう
※ サラブレッドの血統表の、父系の中にAがいて、母系にBがいて、AとBが全兄弟(A=B)なら〈全兄弟クロス〉、AとBが 約 4分の3同血(A≒B)なら〈相似な血のクロス〉あるいは〈4分の3同血クロス〉ということです。そういうニアリーなクロスはふつうのクロスよりも威力が大で、それがわたしの血統論の核の一つです。
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※ 19年書いたコラムも、超絶好調の続く2013年末、1000回記念でデスクと盛り上がった翌週に、突然、降板となりました。
今後、地球上に、レース数日前に、独創的で、しかも正しい血統論を書いて、そして、1000レース以上で、◎の連対率39%の血統コラムが、出現することはないでしょう。
もし、あったら、計算・公表を続けてください。土下座して拝ませていただきます。
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今週でわたしのコラムは最後です。最初から血統の配合論で書くように言われ当時としては革新的な林レース部長の先見の明と哲学に感動しました。円城寺デスクの包容力にも特に謝意を述べさせてください。
さて、有馬。ここで1005レース予想して◎の連対率が39%。最後のレースは場外ホームラン狙いさせてください。
◎はヴェルデグリーン。母に私の好きなテスコボーイの血や、プリメロの〈全兄弟クロス〉。サンデーサイレンスも得意な血です。胴長のジャングルポケット×スペシャルウィークなので距離延長は絶好機と見た。
ヴェルデグリーンの単複と、相手は○オルフェーヴルと▲トーセンジョーダンまで。
読者の皆様、長い間、ご購読ありがとうございました。銀行や不動産屋で書類書くと奥から偉い方が出てきて「笠さんですか、読んでますよ」と励まされました。駅の売店で買われて、その場ですぐ広げて私のコラムから読み始める方を見て、刺激を受けたくなると駅に通ったものです。
今後も私のホームページやメルマガでお会いしましょう。いつまでも競馬を楽しみ、毎年の有馬記念を見て生きていってください。どうか、いつまでも、お元氣で!
(血統研究家・ホームページ「ケヤキの向こう」)
(ヴェルデグリーンは次走のAJCCも◎を打って快勝してくれた。)
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コラム・デビュー戦 1995 マイルCS トロットサンダー
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1996 安田記念
テスコボーイを完璧に表現したトロットサンダー
トロットサンダーはアウトブリードで、そのため母の父テスコボーイのスピードと能力が完ぺきに表現されている。祖母の父はマンノウォー系のリンボーで、アメリカのれっきとした名血だが、母系に入って活躍する血脈で、ロッキータイガーやダイアナソロンが持っていた。マイルCSでは今ほど人氣がなく◎に推したが、今回の世界的な良血ぞろいの凄いメンバーに交じっても、父内国産として、まったくヒケをとらない。ここも◎だ。
○メイショウユウシは桜花賞馬アラホウトクの弟で、マイルCSでも書いたが、少し早かった。父エブロスの母は、ハートレイクの父でもある名馬ヌレイエフの母と、同血に当たる。母の父デュールも、シアトルスルーの母の父ポーカーと4分の3同血。スピードと切れがあり、エブロス産駒の代表馬の地位は不動。本格化したのに人氣がなく、最大の惑星。
▲ハートレイクの父ヌレイエフは、英二千ギニーの1着失格馬で、母の父イクスクルーシヴネイティヴは、三冠馬アファームドやケンタッキーダービーに勝った名牝ジェニュインリスクなどを輩出した。エアグルーヴと同じで、血統表のどの部分にもキズがない名馬だ。以上3頭を上位にとった。
ダンスパートナーは、ダンスインザダークの全姉で、母がブルーラークスパーなどのクロスを持ち、完ぺきな「父母相似配合」をしていて、サンデーサイレンス産駒でも屈指の名配合といえる。距離は二千前後がよいが、切れは抜群なだけに可能性がある。
ジェニュインは、サンデーサイレンス産駒で、ロイヤルチャージャーとナスルーラの「4分の3同血クロス」をしていて活力がある。千六も守備範囲でレースがしやすいだけに、切れはないが2着なら可能性がある。
ダンジグ系は、スプリンターのラインだが、配合しだいで距離をこなしていく。ビコーペガサスは、母の父にズブいコンドルセが入り、直線の長い府中で追い込みに期待できる。
オースミタイクーンの父は、BCマイルに勝ったラストタイクーンでトライマイベストの系統。母の父マスターダービーはプリークネスSに勝った。母系も活力がある好マイラーで、前走は距離が長かった。
タイキブリザードは、ヒシアマゾンの父シアトリカルの異父弟で底力は抜群。ただ、父がシアトルスルーで、ヘイルトゥーリーズンのクロスを持つので、フワーッと行く加速力に富み、切れは物足りないので、そこそこか。
ヒシアマゾンは、父がBCターフに勝ったシアトリカルで、母が愛千ギニーの勝ち馬。ネアルコとハイペリオンの両名馬の組み合わせを重ね、世界的にA級の配合をしている。マイルもうまい名馬だが、中距離がベストで休み明けも心配だ。
(R)
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1996 エリザベス女王杯
ダンスパートナーは〈全兄弟クロス〉の名配合
年齢を超えた女王決定戦となると、ふさわしい名血を選びたい。ヒシアマゾンは休み明け、ヒシナタリーは順調さを欠き、エアグルーヴは惜しくも骨折となると、◎はダンスパートナーで譲れない。このところ切れ負けが目立つが、サンデーサイレンス産駒は千八〜二千四百の切れ勝負がベストで、京都の外回りの二千二百は切れる条件が揃った。母のダンシングキイはブルーラークスパーなどで構成された「父母相似配合」の活力を持ち、本馬はブルーヘイズとブルースオーズの「全兄弟クロス」をしていてG1を勝つのに必要な活力を備えている。全弟は言わずと知れたダンスインザダークで、牝馬の女王にふさわしい馬だ。
○ブライトサンディーはサンデーサイレンス×アリダーの配合が皐月賞馬イシノサンデーと同じで、ベストは二千だが、スローなら二千二百でも軽快さを生かせる血統だ。
▲サクラキャンドルは、サクラユタカオー×ノーザンテーストで、サクラチトセオーの妹に当たる。クロスも同じハイペリオン4×5で、差し馬の多いここは自在性で有力だ。
ロゼカラーは切れる脚を長く使え、ここも怖い。ハイペースに強いミルリーフ系のシャーリーハイツの子でプリンスキロ4×5が底力を生んでいる。母もリファール×セクレタリアトと血脈構成も良い。
エリモシックは凱旋門賞のダンシングブレーヴ産駒で、母の父が母系に入っても大成功しているテスコボーイなので、ダービー馬バンブーアトラスのような雄大な配合だ。疲れがなければ距離はピッタリだ。
フェアダンスはサイアーラインがリボー系で、母の父はテスコボーイの子のトウショウボーイなのでスピードもバランスよく入っていて、成績は劣るが配合は見劣りしない。スローでなければ力は互角だ。
ファビラスラフインも「A級」という表現で書いてきた。父は中距離タイプだから、前走がこの馬本来の姿だ。ここはマジックキスが出られないと先行馬不在で折り合いに問題が残る。その場合は母の父に中距離の先行力に定評のあるシアトルスルーが入るファッションショーが面白い。
ホクトベガは父のナグルスキーがニジンスキー系屈指のパワーを持ち、力馬だから重になれば▲は打ちたい。
(R)
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1997 秋華賞
プリメロの〈全兄弟クロス〉でメジロドーベル
今年の牝馬戦線は、ペースと血統の関係で決まるケースがほとんどだ。
◎はメジロドーベル。父母ともにメジロ牧場伝統のスタミナ血脈を伝えているために底力がある。母メジロビューティーは、快速メジロゲッコウと4分の3同血で、ここにスピードが入る分、スローだと折り合いを欠く。今年の牝馬戦線は前哨戦はすべてスローだが、G1はハイペースだ。ここも速い馬がいるのでスローにはならず折り合えるだろう。何よりも母が持つアヴェナとプリメロの「全兄弟クロス」は、底力を生むという特性があり、私の配合論の核になるクロスだ。ここは◎は譲れない。
○ビワビーナスはナリタブライアンの弟で、父も、母のパシフィカスもハイペリオンのクロスを持っていて、トニービンとしても成功パターンだ。馬格がないのでチギるレースができないが、競っての根性と切れがあるので、京都の二千は合っている。
▲キョウエイマーチは、父がエリモシックを出した中距離の追い込みのダンシングブレーヴだが、母がナスルーラ3×5で、快速テスコガビーに似た母系の血脈構成が表現されていて、走り方もテスコガビーに似ている。ただ、スピード・タイプの場合は父が表現されていないのは好きになれない。ベストは千四〜千八か。
ナナヨーウイングは、オークス・トライアルで好走したナナヨーストームの全妹で、同じく中距離タイプに出た。母の父バンブーアトラスはダービー馬。父はロベルト×リボーと本格的で、大一番で変身するタイプだ。
エアリバティーはトニービンだから面白いが、母の父ヌレイエフは二千ギニーで快走を見せたし、優秀なマイラーを数多く出す。二百bの延長にプラスはないが、中距離にも対応はできるし底力ある血脈構成なので、ここは捨てられない。
オレンジピールの父SSは2種類の産駒を出すが、本馬はターントゥのクロスだけにスピード型だ。ハイペースの底力は物足りないが、ペースが落ちると強く、フワッと行くタイプだけに前走は位置取りが後ろすぎた。千八〜二千でも遅めの流れがベストだ。
シーキングザパールだが、父シーキングザゴールドの子はオープニングテーマもそうだがマイラーだろう。二千は少し長い。勝つまではどうか。
ヘクタープロテクター産駒は、フワッとした走りをするタイプはハイペースの底力は疑問で、メイプルシロップやプロモーションは褒めない。
(R)
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1998 NHKマイル
爆発的配合のエルコンドルパサー
G1はレベルの高いメンバーがハイペースでやると質が高まる。逃げ馬が出てきてほしい。
◎はエルコンドルパサー。父の母の父ヌレイエフと母の父サドラーズウェルズは、4分の3同血の関係に当たる。父が同じで、ヌレイエフの母がサドラーズウェルズの祖母だ。しかも牝系の3代母リサデルは、ヌレイエフの母スペシャルの全妹でもある。これらの相似の血を濃くクロスさせていて、意図的で爆発的な配合がすごい。前走は休み明け、初めての芝で、忙しい千四なのに苦もなく勝ってしまった。名マイラー・ヌレイエフの母に入る血を、これだけ重ねればマイルは問題ない。
○はスギノキューティー。父マジェスティックライトの子に桜花賞馬ニシノフラワーがいる。クロスはロイヤルチャージャーとマダラの〈全兄弟クロス〉4×4。マダラはナスルーラとも4分の3同血で、母はナスルーラとマダラの〈4分の3同血クロス〉3×3。これも文句なしのA級配合だが、今回は◎と○を逆にした。
▲ゲイリーセイヴァーはヌレイエフの直子だからマイルがベストだ。母の父ブラッシンググルームも仏二千ギニー馬。クロスはノーザンダンサーとナスルーラ。初勝利までの5戦はやや距離が長く、3走前のダートは合わない。前走時も、芝のマイル近辺がベストと書いた。ここもチャンス。
ロードアックスは父がスピードあるウッドマンだが、母系はスタミナの塊だ。母の父はリボーの直子。牝系は祖母がマルゼンスキーの祖母キルの全妹で、プリンスキロのスタミナが入る。他にも多くの異系の血が凝縮されて、サイアーラインの底力のなさが隠れている。
キュンティアは父ダルシャーンが切れるマイラーを輩出している。母の姉ミエスクもBCマイルに2回勝った名牝で、A級血統だけに侮れない。
トキオパーフェクトはバブルガムフェローの近親という良血だ。父はブラッシンググルーム×ヘイローなのでスピードがある。マイルは守備範囲だが、母の父もミスタープロスペクターだし、マイルと千二だと千二がベターか。
シーキングザパールがこのレースに勝ったが、同じシーキングザゴールド産駒のマイネルラヴもマイルは向いている。大物感には乏しい。
ジムカーナの父はニシノエトランゼを出してスピードはマズマズだが、行く氣がないからマイルは忙しいか。母も自身もスギノキューティーのように、マダラとナスルーラとロイヤルチャージャーの相似の血をクロスさせ潜在能力は高い。
(R)
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1999 ジャパンC
プリメロの〈全兄弟クロス〉を持つスペシャルウィーク
80年代からJCに対する私の基本的な姿勢は、府中の二千四百bに適性のある地元の日本馬から入るというものだ。良血を買い続けて血統も最近は見劣りしない。
今年の外国馬の目玉は凱旋門賞でエルコンドルパサーを破ったモンジューだが、快挙の後だけに一息入れたようで、なおさら日本馬から入りたい。
◎はスペシャルウィーク。祖母が私の好きなプリメロとハリナの〈全兄弟クロス〉で、昨年のJCも◎にしたがスローで前に行きすぎて末脚が生きなかった。平均ペースかハイペースなら切れるだろう。同じくサンデーサイレンス産駒のステイゴールドも、距離はOKだし府中巧者だから押さえたい。
さて、外国馬。ピカピカの一流馬モンジューは別格としても、今年の外国馬はソコソコの馬が揃って、日本馬のリストを眺めるにつけ外国馬は好走必至だ。期待の順番に批評しておきたい。
モンジューはサドラーズウェルズ×ハイトップ系だから、テイエムオペラオーの父オペラハウスとよく似た配合だ。祖母の弟が92年のJCでトウカイテイオーの3着に入ったディアドクター。良馬場はダメと言われて人氣が落ちている。たしかに、重馬場がベターだが、良馬場は意外とこなせると見ている。凱旋門賞馬はエリシオを含めて褒めないできたが、モンジューには○は打ちたい。心配なのは一息入れた体調のほうだろう。
ボルジアの父アカテナンゴはドイツの名馬で、産駒にJCに勝ったランドがいる。アカテナンゴの父ズルムーの母の兄がテスコボーイだ。凱旋門賞3着やBCターフでチーフベアハートの2着があり、今年は不振だがそれでもフォワ賞でエルコンドルパサーの2着。ズルムーは今月3日に大往生を遂げており、6歳で全盛期より落ちるが▲とした。
アルボラーダは父がリファール系のアルザオで好きでないが、母の父ダルシャーンはコタシャーンの父で切れがある。英チャンピオンSを2連覇、昨年の愛チャンピオンSでスウェインの2着と力はある。二千四百は初体験が心配だが、スタミナの問題はない。
ハイライズは昨年の英ダービー馬。祖父のシャーリーハイツの系統は切れを誇り、JC2着のコタシャーンも出ている。JC向きの血統だが、全盛期の力があるかどうか。
タイガーヒルの父は日本でもおなじみのデインヒルで二千が強い。ドイツ血統が入り底力はあるが、二千四百だと切れは割り引きか。
(R)
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2000 皐月賞
日本的な好配合馬、ダイタクリーヴァ
今年の四歳牡馬戦線は牝馬に比べて面白い。血統的にもバラエティに富んでいるが、父内国産馬が優秀だと楽しさが倍加する。
◎はダイタクリーヴァ。父のフジキセキはスピードが十分なので、配合相手にはスタミナと底力がほしい。母が日本的なサクラユタカオー×ネヴァービート×ハロウェーというのは好感が持てる。母の持つクロスはネヴァービート3×2にハロウェー5×3。母の兄にダイタクヘリオス、近親にカブラヤオーがいてG1向きでもある。皐月賞を勝たせてやりたい血統だ。
サクラチトセオー産駒のラガーレグルスは母系に私の好きなテスコボーイやプリメロが入っている。ナスルーラとハイペリオンの血が豊富で血脈構成も良い。○とした。
▲エアシャカールは皐月賞に強いサンデーサイレンス(SS)産駒。母系にはエルバジェやリボーが入り底力が豊富で、ボールドルーラーを加えてまとめている。スケールの大きい馬だ。
リワードフォコンはフォティテン産駒だから二千まではOK。祖母はエリザベス女王杯のリワードウイング。母がプリメロとアヴェナの〈全兄弟クロス〉で底力があると言ってきた。前走くらい走って当然の馬だ。
フサイチゼノンはSSでも肌がノーザンテーストだからスピード型で二千までのマイラーか。祖母がナスルーラのクロスを持つのは良い。
ジョウテンブレーヴはダンシングブレーヴ産駒で、母がナスルーラのクロスという点はキョウエイマーチと同じ配合パターンで、まだ底は見せていない。
アタラクシアの父デインヒルは二千前後がベストの種牡馬。母の父がダンシングブレーヴというのも面白い。
カネツフルーヴは地方で活躍したロジータの子だから重がベターだ。
SS産駒のヤマニンリスペクトは、母の父ヤマニンスキーがマルゼンスキーと似ていてスペシャルウィークをイメージさせるが、少し劣るのは仕方がない。
マイネルコンドルはロドリゴデトリアーノ産駒だから二千は合っている。母の父がハイセイコーなので重馬場の馬だろう。
クリノキングオーは父キンググローリアスだからナムラコクオーと同じだ。G1向きではない。
パープルエビスはジェイドロバリー産駒だからG1向きではない。
(R)
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2001 皐月賞
天馬空を行くアグネスタキオン
今年の3歳はレベルの高い馬が多く楽しみだが、とうとう牡馬戦線もG1レースを迎えることになった。
アグネスタキオンはダービー馬・アグネスフライトの全弟。父はサンデーサイレンス(SS)で、母が桜花賞優勝、オークス2着のアグネスフローラ、祖母がオークス優勝のアグネスレディーだ。兄は母の柔軟性が表現されていなかったが、弟は母の父ロイヤルスキーの柔軟性やスピードを受け継いでいる。祖母に入るリマンドの切れや底力も出ている。血脈構成や配合が優秀で、良い部分がすべて表現された馬は走る。天馬空(くう)を行くという表現がピッタリで、おそらく死角は三千b以上の距離にあるか、あるいは天才だからポカがあるかだろうが、負けるイメージがなかなか湧いてこない。ここも◎に決まっている。
アグネスゴールドが骨折したので、○はトニービン産駒のジャングルポケット。母の父に私の好きな名マイラー・ヌレエフが入る。トニービン産駒としては母系にナスルーラやハイペリオンが豊富なのも成功パターンだ。ローテーションだけが問題。
ブラックホークはヌレエフ×シルヴァーホークだった。シンコウカリドはグラスワンダーを出したシルヴァーホークが父で、母の父がヌレエフだ。パワーのある配合で、父がヌレエフのブラックホークよりもスタミナがある。これが▲。
ボーンキングはSS×サドラーズウェルズだから中距離馬で、良馬場で時計のかかる競馬は向いている。
ミスキャストは弥生賞でも褒めたが、母のノースフライトが根性があって好きだった。SS×トニービンの配合はアドマイヤベガと同じ。弥生賞は根性だけで食らいついていた感じだ。キャリアの浅さをどこまでカバーできるか。
ミレニアムバイオのSS×ダンチヒという配合は、朝日杯に勝ったも同然の亡きタガノテイオーと同じ。母はハイペリオンのクロスで、祖母もスタミナがあって二千でも楽しみだ。
シャワーパーティーはブライアンズタイム×マルゼンスキーだが、兄のマイヨジョンヌと同じでG1まではどうか。
母の父がマイラーのサンキリコだから、ブライアンズタイム産駒にしてはダンツフレームはマイラーに出ている。NHKマイルCに出たら楽しみだ。
(R)
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2002 日本ダービー
タニノギムレットを◎にして何も悔いがない
マイラーのような筋肉マンのタニノギムレットだが、同じブライアンズタイム(BT)産駒のダンツフレームもそうだったから氣にならない。母の父クリスタルパレスも中距離は問題ない。リボーの子のグロウスタークのクロスになったので底力は十分でG1も問題ない。前走は脚を余して調教代わりのようなものだから、疲れがあるとは信じられない。今までも今回も◎にして何も悔いがない馬だ。
○シンボリクリスエスは父のクリスエスからアルゼンチン共和国杯のマチカネアレグロが出たように、オクテで秋から強くなると思っていたが、意外と本格化が早かった。クリスエスも母の祖父のシアトルスルーも今月7日に亡くなって弔い合戦か。現状ではスローがベターかも。
▲テレグノシスはいつも言うようにトニービンだから府中は鬼。母の父ノーザンテーストとの配合の相性もよい。ハイペリオンとナスルーラの両方のクロスを持つのもトニービンの成功パターンで距離も問題ない。
アドマイヤドンは弱点である父が表現されていないので、府中で兄アドマイヤベガのような切れを発揮する可能性を捨て切れない。
ファストタテヤマはデイリー杯を勝ってダービーで2着したボールドエンペラーを想起させる。母の父ターゴワイスは秋の天皇賞で一発が決まったレッツゴーターキンを出した。捨て身で乗れば怖い。
バンブーユベントスは祖母が〈4分の3同血クロス〉を持ち、母の弟のバンブーマリアッチもそうだがクロスが面白い。マヤノトップガンをかけてリボーのクロスにした意氣込みが評価できる。
ノーリーズンはBT×ミスタープロスペクターだからオークス馬のチョウカイキャロルと同じ配合だ。前走のように流れに乗れれば侮れない。
サンデーサイレンス(SS)産駒のタイガーカフェは母系が豪州血統だけに、SSらしくない渋太いタイプで距離延長も問題ない。前走は恵まれたがオクテな面は否めず秋が楽しみだ。
モノポライザーはSS×ノーザンテーストの配合が、マイラーが多いので距離的に少し心配だ。エアグルーヴの下だけあって有力馬に不安が出るようなら浮上する余地はあるか。
(R)
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2003 皐月賞
底力と爆発力でサクラプレジデント
皐月賞は二千だからトライアル戦線を戦ってきた馬たちには、たいていこなせる距離だ。となると選別で重視すべきはG1向きの底力と、小回りコースで突き抜けられる爆発力だろう。
◎はサクラプレジデント。サンデーサイレンス(SS)だし、母の全兄がダービー馬のサクラチヨノオーということで牝系はスワンズウッドグローヴ系だ。名牝系らしく代々、セダン、マルゼンスキーと配合して母系の底力も爆発力も抜群だ。半兄のサクラナミキオーは父がリズムだったから氣にならない。皐月賞に勝てる全ての要素を満たしている。氣楽に乗ってほしい。
○がザッツザプレンティ。ダンスインザダークは母系にスピードを入れるのがよい。母の弟がバブルガムフェロー。母のミスワキ×リファールという配合がスピードの源泉となっている。サイレンススズカがSS系で母の父ミスワキだったように、力を出し切れば爆発力はある馬だ。
▲ネオユニヴァースはSSで母系にシャーペンアップ系の血が入る。この配合パターンにはトゥザヴィクトリー、チューニー、チャペルコンサートなどがいて、サラブレッドらしいムダのないセンスだけで走るような馬になる。祖母の父シャンタンは底力抜群だし、鞍上が巧者だから勝機もある。
スズカドリームはサイレンススズカと4分の3同血で少し劣るが悪くない。
サイレントディールもSSで母系にシャーペンアップが入る。全姉がトゥザヴィクトリーだし切れすぎる点が不安だが、繊細さ以外には特にマイナス点はない。
コスモインペリアルは父がリボー系。〈母の父ロウソサエティ〉はマンハッタンカフェと同じ。勝ち切れない近走だが強くなる余地はある。
エイシンチャンプは父がコンキスタドールシェロの子で底力が疑問だ。G1となると絶好調で展開が向くとか条件が必要だろう。
スズノマーチは父のティンバーカントリーが底力不足だから、そこの弱点が出たときは突き抜けるまでは難しい。
テイエムリキサンは母の父の底力不足が肝心なところで出るかもしれない。
(R)
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2003 春天皇賞
リアルシャダイの血が爆発するサンライズジェガー
京都2マイルは三千の菊花賞と違って少しスタミナを
要する。微妙な違いが存在する。今の時代は典型的なス
テイヤー競馬は通用しないが、それでもスタミナの微妙
な量を考慮しておきたい。
この2マイルの天皇賞でライスシャワーやステージチ
ャンプが劇走したように、リアルシャダイ産駒の真価は
長距離戦にある。サンライズジェガーは母の父トウショ
ウボーイのスピードでバランスをとっているから長いと
ころを速いタイムで走れる。昨秋の3連勝はマグレでは
ない。前々走は休み明け、前走は前が壁でケイバになっ
ていない。2マイル戦を迎え、父のスタミナの爆発に思
いをいたせば、人氣薄のここは◎を打つ絶好のチャンス
だ。
ダンスインザダーク(ダンス)産駒はザッツザプレン
ティなど好走が目立つが、柔軟性がないので相手がそろ
うときれいに勝てない。○ファストタテヤマは母の父が
捨て身の追い込みで名を残したレッツゴーターキンを出
したように一発がある。切れは劣るが、京都が得意なわ
りに氣楽に乗れるから面白い。
▲ダイタクバートラムはダンス産駒で異父兄がダイタ
クリーヴァだ。母がネヴァービート3×2、ハロウェー
5×3と日本的な好配合で、切れを生かせれば勝てるし
勝てば嬉しくなるような血統だ。
イングランディーレは母の父がリアルシャダイだから
長いところで折り合うしバテない。ここも侮れない。
ダンス産駒は母系にスピードを入れないと硬さが出て
融通が利かない馬になる。ツルマルボーイも母が千八や
二千に強かったツルマルガールだからバランスはよい。
力は上だが二千前後の方がベターではある。
ダンツフレームはブライアンズタイム(BT)だから
距離の対応力がある。祖母が〈4分の3同血クロス〉で
活力があるが、叩いて良くなる馬だけに、ここか次かは
追い切り次第だろう。
ダンス産駒のタガノマイバッハはクロスが過剰で二千
前後がベター。折り合い面の問題は残るので乗り方次第。
トーホウシデンはBTに粘着力のブラッシンググルー
ムだから長いところで粘る。2番手に考えていたが、前
走体重減から日程がきついし体調次第か。
(R)
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2004 桜花賞
〈全兄弟クロス〉を持つダンスインザムード
今年の桜花賞は粒ぞろいだが、自在な脚が使えてナスルーラなどの柔軟性のあるスピードが濃く入り瞬発力があってと条件がそろった馬はいないから難解でもある。
全兄にダンスインザダークがいるダンスインザムードはサンデーサイレンス(SS)産駒で、爆発力があるブルーヘイズの〈全兄弟クロス〉を持つのが配合のポイントだ。3代母にも〈4分の3同血クロス〉がありドミノの血も濃く入る。こういったクロスは私の配合論の核でもある。ナスルーラやダマスカスのような桜花賞向きの柔軟性のある血を持たないのがマイナス点で、全姉のダンスパートナーが2着した桜花賞は京都だった。未完成の馬だし阪神マイルのきつい流れが心配だが、アッサリもあるから能力を買って◎とした。
SSの○ダイワエルシエーロは母が阪神の桜花賞で2着したように母系にダンチヒやダマスカスが入り桜花賞向きの血脈構成をしている。体重のわりに大きく見せるし、この馬もスケールの大きさを感じさせる。
▲スイープトウショウはハイペリオンのクロスを重ねた牝系が重厚で、母系に入るテスコボーイやダンシングブレーヴの血も桜花賞制覇を後押しする。父がエンドスウィープだから横綱相撲を取れそうにないのが氣になるが、父の最高傑作だろう。
レディインブラックは祖母にプリメロの〈全兄弟クロス〉があり、その全兄がダービー2着のサンエイソロン。SSと親和性のある母系でもないから一発屋の感じはするが、はまれば侮れない。
SSのムーヴオブサンデーは母系にシングシング、アバーナント、キングスベンチなど軽いスピードが多すぎる。短距離血統としては悪くないし、母にフェアトライアルが何本も入り、ある程度距離はこなせそうだが◎を打つほど感動しない。
SSのアズマサンダースはフランスの誇るザリバの名牝系で母の姉がマジックキス。キョウワスプレンダと同じ配合で素軽さはないが他にマイナスはない。
マルターズヒートは母がナリタブライアンと4分の3同血でチャンスはある。
ゴールデンフェザントの子のヤマニンアラバスタはオークスがベターだ。
(R)
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2004 皐月賞
コスモバルクにロマン一切抜きで◎
馬の血統は派手な血脈だけでも成り立たない。産駒の成功率は低いけれども母系に入って優秀な形質を伝える血脈も必要で、それには生産界の層の厚さが欠かせない。
その意味においても地方競馬は馬産にとって、とても重要なのだ。私は地方の馬だからとひいきにする性向はないが、地方の馬が地味でも優秀な血統表を持っている場合は虚心で褒める。
ナスルーラやその孫に当たるテスコボーイは大好きでいつも褒めてきた。テスコボーイは今のサンデーサイレンス(SS)のような存在だった。コスモバルクは母が
トウショウボーイ×ビッグディザイアー×キタノカチドキで、テスコボーイとその父プリンスリーギフトのラインばかり配合してきて、テスコボーイ2×4が光ってい
る。この柔軟性のある優秀なスピードの凝縮が、バルクの父であるザグレブの中距離向きのスタミナとバランスがとれている。鍛えて強くなる父系の血も、自前の長い
坂路コースで鍛える陣営に向いた。二千がベストだし、長距離輸送のハンデがあっても氣にしない。ここもロマン一切抜きで◎を打ちたい。
SS産駒の○ミスティックエイジは母系にリボーやニジンスキーがあってレベルの高い血統だ。
▲コスモサンビームも父がシアトリカルの子のザグレブだから使われてのプラスが見込まれる。
SSのブラックタイドは母の父がリファール系という点だけが好きでない。ハイペリカムの名牝系で祖母にバステッドなど底力の凝縮があるのはすばらしい。
キョウワスプレンダはSSにシャーペンアップ系というネオユニヴァースなどと同じ成功パターン。一発がある。
フォーカルポイントは自身にリボーのクロス、祖母にボールドルーラーのクロスがあり、プリメロなどの日本的な血脈が牝系の奥に生き残っている。底力のある父系ではないが距離は対応できるだろう。
マイネルデュプレは牝系は大物感がないが、ホーンビームのクロスがしゃれている。
ハーツクライは祖母の父がリファールなのが好みでない。SS×トニービンの配合は最高だから一長一短か。
(笠 雄二郎・血統研究家)
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2004 菊花賞
距離延長でカーネギーの子のホオキパウェーブ
菊は中盤の千bがスローになる特徴があって2マイルの天皇賞ほどはスタミナを要しない。でも、今年はコスモバルクが平均ペースで行きたがる馬だけに、いつもの
菊とはラップが異なるかもしれない。
ホオキパウェーブはカーネギー×ミスタープロスペクターだから青葉賞に勝ったカーネギーダイアンと同じ配合。凱旋門賞馬カーネギーはスタミナのあるサドラーズウェルズの直子。母系はスタミナ以外にスピードもありマクリもOK。距離延長に期待して◎とした。
○オペラシチーの父オペラハウスはサドラーズウェルズの直子でキングジョージに勝った。母系にナスルーラのクロスがあって、このスピードのせいでマクリが打てる。菊向きの血統だけにリベンジがある。
サンデーサイレンス(SS)産駒の▲スズカマンボは近親がSSのダンスインザダークだから、やはりブルーヘイズの〈全兄弟クロス〉を持つ。母の父がキングマンボで、ここの4分の1の部分が異なる。中距離ベストだが京都は得意な血だ。
SSのハイアーゲームは母の父がリボー系のロウソサエティでマンハッタンカフェと同じ配合。氣品もあってステキな馬だ。右回りを克服すればチャンスだ。
SSのハーツクライは母がアイリッシュダンス。リファールのスピードも入るからベストは中距離だがハイペースなら届くか。
シルクディレクターはチャクラと同じマヤノトップガン産駒で、牝系はメジロティターンと同じ。距離はOKだが休みを入れたので体調次第。
ダンスインザダークのデルタブルースは父は違うがアメリカンボスとクロスがよく似ているから距離はこなすタイプだ。
カンパニーやケイアイガードはマイラーっぽいからペース次第か。
SS×ノーザンテーストはマイラー配合だからダイワメジャーは向かない。
コスモバルクは母が私の大好きなテスコボーイ2×4。二千ベストと言って褒めまくってきた。秋天でキンカメとやってほしかった。先頭で走らないと氣がすまない性格みたいで、ペースを落として先行できるかどうかが疑問だ。断腸の思いで◎を打たない。
(R)
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2005 安田記念
相似な血のクロスを内包するアサクサデンエンに◎を打ちたい
今年の安田記念はハイレベルの大激戦だ。
◎アサクサデンエンの父シングスピールはJCの勝ち馬。名種牡馬や名牝が凝縮された超良血馬だ。母の父はスピードがある。そして祖母が凄い。名牝ローズレッドの〈全兄弟クロス〉で、おまけにカルミアの〈同血クロス〉4×4。5代母も名血ウダイプールの〈全兄弟クロス〉2×3と活力ある相似な血のクロスを内包する。ここ2戦の自在な鬼脚を見ると、やっと良血が本格化したかと思わせる。実績のない今、◎を打ちたい欲望を抑えることができない。
○テレグノシスの父は府中が鬼のように強いトニービンで、ノーザンテースト牝馬との配合もサクラチトセオーと同じで文句なし。
▲ダイワメジャーはサンデーサイレンス(SS)×ノーザンテーストのマイラー配合でマイルは合っている。府中の直線をこなせば侮れない。
SSのハットトリックはデュランダルやゼンノロブロイなどと同じヘリオポリスの〈4分の3同血クロス〉で活力がある。母と祖母は〈全兄弟クロス〉を持つ凄さ。流れと調子が心配だがアッサリ勝っても不思議ではない。
香港は繁殖がないから去勢する傾向があるが、去勢効果が大きいから血統的に微妙でも成功したりする。去勢馬の血統は悪く言いにくい。ブリッシュラックは父はニジンスキーの子でスピードが入って成功した。ロイヤルスズカのイメージだ。母方はナスルーラやネアルコが過剰なほどあふれている。祖母の父フーリッシュプレジャーが名血でバランスは悪くない。
カンパニーは祖父がトニービンだから府中はOKか。牝系からマイルも悪くない。
アドマイヤマックスはSS×ノーザンテーストのマイラー配合。サウスポーだし母がダイナシュートでマイルは合う。
SSのダンスインザムードはブルーヘイズの〈全兄弟クロス〉が光る。問題は氣性だ。
サイレントウィットネスは祖父が底力に欠けるコンキスタドールシェロで日本のG1向きではない。母系はハイペリオン系の血が何本も入って底力がある。祖父の弱点だけが氣になるが、去勢してても私は褒めたくない。
(笠 雄二郎・血統研究家)
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2006 関屋記念
距離短縮でカンファーベスト
直線が長すぎてスローになりやすい新潟だがマイル重賞だとどうか。折り合いついて伸び続ける馬が有利だ。
カンファーベストはアンバーシャダイ×シンザンだからベストタイアップみたいに二千がベストの配合だ。最近、折り合いを欠くのは、祖母にスピードの血の塊が隠れているからだろう。氣性的に休み明けが強い馬で平たん新潟も得意だから、このスピードの血が母系にあればマイルへの距離短縮は一変の可能性を秘めている。ここで◎を打ってみたい。
○サイドワインダーはトニービン産駒で母がスピードもあったゴールデンジャック。長く良い脚を使って伸び続ける。平たん新潟も上手だが、昨年の輝くようなデキにあるかどうか。
▲テレグノシスはトニービン×ノーザンテーストとサクラチトセオーと同じ配合。切れも父からくる持続力もかなりのものだが、難を言えば千四や千八のような中途半端な距離のほうが切れる。千六だと勝っても負けても驚かない。
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2006 エリザベス女王杯
カワカミプリンセスは中距離向きの好配合
名牝であることが確定した古馬対3歳の上昇中の名牝候補の対決か。
カワカミプリンセスの父キングヘイローはダンシングブレーヴ×ヘイローと時流に乗った配合で、母がアメリカのG1を7勝もした名牝ということで期待された。G1ホースを出しても不思議はない。4代母が底力満点のヘリオポリス3×2で、自身はセクレタリアトとサーゲイロードの〈4分の3同血クロス〉と好配合を誇る。母系の血は中距離血統ばかりで二千二百はベストに近い。休み明けらしい体でも内回りの二千で差し切ってしまった。叩かれて良化すれば、名牝スイープと互角の潜在能力なら勢いで◎。
スイープトウショウは母の父ダンシングブレーヴの豪快な末脚が表現されている。個性が強いから鬼のように得意な京都だと喜んで一変する可能性があるが、3年連続でG1を勝ち切るのはたいへんなことだ。○で我慢した。
▲アサヒライジングは母の父が菊花賞馬のミナガワマンナで祖母の父が凱旋門賞馬のボンモー。母がワイルドリスク4×4に、ウダイプールの〈全兄弟クロス〉とすばらしい。渡米して力をつけ、外回りでも流れに乗れば侮れない。
△ディアデラノビアは母がアルゼンチン・ダービーに勝った名牝。距離は千八〜二千二百がベストだ。瞬発力は誰にも負けないが脚の使いどころは難しい。
△サンレイジャスパーはトニービン系で距離が合っている。
△フサイチパンドラはサンデーサイレンス×ヌレイエフで、セックスアピールの名牝系。血統は一流で大一番だと変わるかもしれない。
アドマイヤキッスはサンデーの切れとユタカのマジックに期待しての△。
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2006 阪神JF
ウオッカの素質は見劣りしない
新コースは東京みたいに直線が長すぎるから、最初の週でもあるし折り合い大事に乗る雰囲氣か。好位か中団にいて、伸びる脚を長く使える馬を狙いたい。
◎はウオッカ。父タニノギムレットは新潟2歳Sを勝ったゴールドアグリを出した。ウオッカも父と似た体型でパワーもある。祖母がハイペリオンのクロスで、その全妹が桜花賞馬のシスタートウショウだから底力がある牝系だ。角居厩舎の英才教育の併せ馬で鍛えられ、戦歴は少ないが素質は見劣りしない。
○ハロースピードはナスルーラやドミノが濃いから、かなり瞬発力がある。距離の守備範囲が広い配合でマイルへの延長はプラス。前走は不利もあった。流れさえ合えば長い直線が魅力だ。
▲ルミナスハーバーはアグネスタキオン産駒で母がスピードのあったタックスヘイブン。過剰なほどのナスルーラから伝わるスピードがあってフォームもすばらしい。馬体減りがなければアッサリもある。
△アストンマーチャンは京都千四では圧倒的に強かった。感動するほど肉の塊で強いのは分かっている。今度は直線が長くなるしピッチ走法でプラスはない。父は安田記念にも勝ち距離には対応力があって、彼女もマイルは守備範囲だが千二か千四がベターだろう。4番手とした。勝っても負けても驚かない。
△マイネルーチェは距離延びてスローの競り合いなら本領発揮だ。
ジーニアスはダンスインザダークで近親がサンドリオン。距離延長はプラスで△。
ボストンハーバー産駒の△イクスキューズは折り合いがOKなら切れる。マイルも問題ない。
△ハギノルチェーレの切れは捨て切れない。
(血統研究家・ホームページ「ケヤキの向こう」)
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2007 クイーンS
インさばきならイクスキューズ
名牝ウオッカもカワカミプリンセスも運のないことになってしまった。ここにも巨星はいない。円形みたいな馬場の札幌の千八はスタートしてすぐコーナーで先行馬有利だが、今年は先行馬が多いのでインから器用にさばける馬を探すしかないか。
◎はイクスキューズ。父ボストンハーバーはCBC賞2着のカフェボストニアンや、新潟が得意なダイワバンディットなどを出して平たん得意でスピードがある。祖母の兄がラジャババで牝系も優秀だ。この血統は折り合いが付けばもう少しやれるはず。前走はハンデ戦で4キロ軽い牡馬にやられたが内容は良かった。今度は軽量でプラスがあるし、父の産駒の競馬場別の連対率は札幌が最高だ。期待した。
○ディアチャンスは古いファンには懐かしい桜花賞馬アチーブスターの近親で、ニジンスキー4×3でまとめている。スワップスの薄いクロスも生じて大物感はないが、本格化した今なら外差しが決まればチャンスはある。
サンデーサイレンスの▲アドマイヤキッスはジェイドロバリーが入るせいか大レースは勝ち切れない。全兄プラズマは二千前後が強いが、妹も同じでマイルよりも千八はベターだ。
△アサヒライジングはロイヤルタッチ×ミナガワマンナという涙が出るような日本的配合。切れがないから流れ次第か。
△フサイチパンドラはサンデー×ヌレイエフの配合でセックスアピールの名牝系だから、世界レベルの良血で大レース向きだ。連闘で札幌記念と言っているから◎は打ちにくい。
洋芝向き△ロフティーエイムと調子不明の△デアリングハートが押さえ。
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2008 ヴィクトリアマイル
潜在能力を買ってエイジアンウインズ
ウオッカが出てきた。この名馬をどうするかが焦点のレースだ。
ウオッカの祖母は桜花賞馬のシスタートウショウの全姉で、自身は名牝フラワーボウルとユアホストの〈4分の3同血クロス〉を持ち遺伝的な緊張感が高い配合だ。2歳時から絶賛してきた。昨秋は休み明けや追込策を嫌って全体に評価を下げた。2月に使いドバイへ行って帰ってきてG1というローテは、帰って安田記念で連対した牡馬のダイワメジャーやアサクサデンエンよりも日程が過酷で、1週前の写真を見ると馬体が細く見えた。こういう馬は△にすることにしているが、名血だけに勝てばアッサリだし▲とした。
ジョリーダンスはニジンスキーの〈4分の3同血クロス〉などニアリーなクロスをいっぱい持つ。ここ2走は前が詰まって脚を余した。ただエリザベス女王杯がそうだが牝馬の女王決定戦は若いほうから2世代を買えというのはセオリーでもある。○で我慢した。
◎は社台ファームのエイジアンウインズ。父フジキセキはファイングレインが出たし、豪州産馬がドバイでも勝って世界で活躍産駒を出している。牝系は近親がヌレイエフというスペシャルの名牝系で、半妹のキュートエンブレムはマイラーを出すウォーエンブレム産駒なのに二千のフローラSで3着。半兄が千八馬のパッシングマーク。マイルは守備範囲で、平均ペースで逃げる手もある。潜在能力を買って◎とした。
△ブルーメンブラットは千四ベターだが守備範囲。△ニシノマナムスメは母がニシノフラワーで千八がベターの氣もするがマイルもOK。
△トウカイオスカー、△ローブデコルテ、△ベッラレイアを押さえる。
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2009 オークス
天才に対抗する鬼才レッドディザイア
ブエナビスタは天才牝馬と書いて絶賛してきた。母ビワハイジのスピードを切れに転化できている。ドイツ血脈の牝系の底力が開花して、4分の3同血の兄アドマイヤオーラみたいだ。半兄には二千五百の勝ち馬がいるし、アドマイヤオーラはダービー3着だから距離は問題ないが、プラスまではどうか。超人氣だけに○で我慢した。
◎レッドディザイアは母系がサドラーズウェルズ、ヴァルドロワールなどスタミナと底力の血を何代も重ねていて重厚だ。祖母の兄ベルメッツは重厚すぎてキングジョージは勝ったがジャパンCには来て負けた。マンハッタンカフェ産駒は意外とスピードがありすぎるのが心配点だが、この馬は重厚で爆発力がある。ブエナビスタが天才ディープインパクトなら、レッドディザイアは鬼才ハーツクライのようで闘志と爆発力を感じさせる馬だ。今度は4戦目で攻め強化。テンションが上がりすぎなければチャンスがあるのではないか。天才相手だからこそ◎で攻めてみたい。
▲ディアジーナはメジロマックイーン産駒で3代母がオークス馬のシャダイターキンと距離適性がある。
今年のアグネスタキオン産駒は秀才タイプの堅実派が揃った。△ジェルミナル、△ハシッテホシーノ、△ダノンベルベール、△ブロードストリートの順とした。
△デリキットピースは母の半姉がオークス馬のアドラーブルなのが魅力だ。
(R)
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2010 天皇賞 春
サッカーボーイの血でマイネルキッツ
ホクトスルタンが出走できて、親子4代連続天皇賞制覇に挑むのを見てみたかった。
◎はマイネルキッツ。母の父サッカーボーイは菊花賞や天皇賞春を勝ったヒシミラクルや菊花賞馬ナリタトップロードを出してスタミナを伝える。馬体にも氣品が増して年齢はカバーできるだろう。二千五百以上の距離で、このメンバーなら◎で攻めたい。
○フォゲッタブルは現代では珍しいステイヤーを出せる種牡馬であるダンスインザダーク産駒。トライアルを使えなかったので評価を下げたが、母もエアグルーヴだから底力もあって古馬G1も問題ない。
▲メイショウベルーガの父フレンチデピュティは、産駒のベストは千八だが万能に近い。母の父がサドラーズウェルズで距離はOK。直線に坂がない京都は切れる。
凱旋門賞でもJCでも強さを見せつけたエルコンドルパサーだが、産駒はスタミナがある。△トウカイトリックも長距離では崩れない。
△ジャミールはステイゴールド×サドラーズウェルズ。名牝系で強くなる余地がある。
△ジャガーメイルは牝系に意外とスピードがあるので中距離馬だが距離は守備範囲だろう。
オペラハウス産駒の△トーセンクラウンと、サンデーサイレンス産駒の△エアシェイディも可能性はある。
(血統研究家・ホームページ「ケヤキの向こう」)
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2010 ヴィクトリアマイル
ギムレットらしさの出たニシノブルームーン
NHKマイルはスプリントG1なみのハイペースだった。今週はスローだろう。海外遠征帰りが人氣で悩ましい。
◎ニシノブルームーンはウオッカと同じタニノギムレット産駒。母の父アルザオはディープインパクトの母の父でもある。ローマンの良さを生かした好配合だ。3代母にスピードがあるのでマイルでも対応できるのではないか。切れはサンデーサイレンス系には見劣りするが、前残りの競馬が多い今の東京なら先行流れ込みに期待できる。今春の充実はすばらしく、ギムレットらしさが表現されてきた。人氣が片寄るだけに狙いたい。
○ブエナビスタは母が阪神3歳牝馬Sでエアグルーヴを破ったビワハイジ。牝系のドイツ血脈がサンデー系の切れを増幅している。絶賛してきた血統だが、人氣だけに、ここ1年の厳しいローテがどうなのか。
▲レッドディザイアもブエナビスタと似た血統で絶賛してきた。父がスピードもあるマンハッタンカフェでドイツ血脈だ。母系には欧州の底力やスタミナが豊富で、父のパワーをサポートしている。
△プロヴィナージュは先行力もあるし、△ブロードストリートはマイルに対応できる。
△ラドラーダ、△ヒカルアマランサス、△ブラボーデイジーを押さえたい。
(血統研究家・ホームページ「ケヤキの向こう」)
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2011 阪神JF
ジョワドヴィーヴルに惚れた
阪神の外回りは広いので実力が出るようになった。今年はエピセアロームとジョワドヴィーヴルの2頭に惚れた。
ジョワドヴィーヴルはブエナビスタと4分の3同血の妹。マンハッタンカフェも出るドイツの名牝系。4代母がドイツの名血アルヒミストの〈4分の3同血クロス〉。ディープインパクトの母系も底力満点で血統表全体が言うことなしだ。姉と同じで小さいが、身のこなしに氣品があり、切れる脚はさすがの血筋だ。◎で狙ってみたい。
二千とマイルのG1を勝ったダイワメジャーの産駒が○エピセアロームだ。祖母の半弟がサクラローレルと母系は重厚で、血統表全体にナスルーラやロイヤルチャージャーといったスピードが増幅されている。父と似てマイル〜二千ベストだろう。千二を使ったローテがいやだがフォームにも大物感がある。
▲アイムユアーズはファルブラヴだから距離延長が氣になる。
△アナスタシアブルーはマイラー配合だから前走は距離が長かった。ライラプスの子で距離短縮はプラスが大だ。
△ラシンティランテはトーセンジョーダンが出る牝系。母の父がエンドスウィープだからマイルがベストか。
△イチオクノホシは母の父に底力がある。
△トーセンベニザクラ、△サウンドオブハートを押さえたい。
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2012 ダービー
トーセンホマレボシに賭ける
皐月賞が最初の関門だが、ダービーは違う流れになることが多い。
◎トーセンホマレボシはトーセンジョーダンの半弟で父がディープインパクト。カンパニーやヒストリカルも出る活力のある牝系だ。兄は東京二千で日本レコードを出し、2マイルの天皇賞でも2着。こちらは前走はスタートで落鉄して日本レコードだ。血統も馬体も兄に見劣りしない。オークスでワンツーを達成し、ディープインパクト産駒も東京二千四百の成績は良くなってきた。
○ワールドエースもディープインパクト産駒。母の父はジャパンCで勝ったランドのラインで、母系に日本で大成功しているドイツの名血が多い。3代母がスタミナを誇るアリシドンの〈全兄弟クロス〉4×3。配合は満点だ。前走は流れが合わなかった。ここも展開次第だ。
▲ゴールドシップはステイゴールド×メジロマックイーンの成功パターンの配合で、オルフェーヴル兄弟もそうだ。二千〜二千四百がベスト。
△フェノーメノはステイゴールド×デインヒルで、母にリボーのクロスと、おもしろい。
ディープインパクト産駒の△スピルバーグも母系が重厚でA級だ。
△ヒストリカルはトーセンホマレボシと同血だ。
逃げるかもしれない△ディープブリランテと△グランデッツァを押さえたい。
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2012 阪神JF
名血ローブティサージュ
ウオッカやブエナビスタやジョワドヴィーヴルなど1勝馬に◎を打ったり相性の良いレースだが、今年は若さが残る馬が多い。
◎ローブティサージュは3代母がロゼッタの〈同血クロス〉4×4の名配合。母のいとこのアサクサデンエンやヴィクトワールピサも絶賛してきた。母がアサクサデンエンと同血という、すばらしい血統だし、ウォーエンブレムとしても最高の配合といえる。
○サンブルエミューズは桜花賞馬キョウエイマーチの孫だから、皐月賞2着のトライアンフマーチのメイだ。牝系の奧はゲインズボロやブランドフォードのクロスがあって重厚だ。馬体が小さいのが心配だが、栗東滞在効果はプラスだろう。
▲コレクターアイテムはハーツクライ×ストームバード。牝系はベガが出ている。強いレースで将来性を感じさせるが、これでもまだ完成しているようには見えない。
△アユサンはディープインパクト産駒で、母の父がストームバードの子のマイラーのストームキャット。コレクターアイテムと似た血統で、中間熱発した前走の豪脚は凄かった。
△プリンセスジャックはゴールデンジャックの子で距離延長はプラスではないか。
△サウンドリアーナ、△レッドセシリア、△メイショウマンボを押さえたい。
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2013 菊花賞
感動的なレースも夢でないバンデが私の◎です
菊花賞ですか。秋本番ですね。
エピファネイアは母シーザリオが日米オークスを勝った名牝で、スペシャルウィーク×サドラーズウェルズは凄いスタミナを誇る。秋は折り合いに進境も見られるが、シンボリクリスエス産駒はアルフレード(朝日杯)、サクセスブロッケン(フェブラリーS)、ストロングリターン(安田2着)などマイラーが多くステイヤーは少ない。G1ホースが出ず層も薄く、楽勝の可能性があるからといっても、血統批評で生きてきた私としては菊は○までか。
バンデはセントライト記念でも◎にして「菊の晴れ舞台に出してやりたい血統」と書いた。出走にこぎ着けたので◎。母の父が牝馬の〈全兄弟クロス〉2×3。兄が二千四百の香港ヴァーズを勝ち、父は英ダービー馬のオーソライズド。ブリンカー付けて展開が合えば感動的なレースのできる馬だ。絶賛してきた私には◎しか見えない。
▲ユールシンギングはエピファネイアと同じ〈4分の3同血クロス〉を持つA級配合。母に長距離が鬼のリアルシャダイが入るのが魅力だ。
△ラストインパクトは父も良いがナリタブライアンの近親だ。
△マジェスティハーツは距離は流れ次第。
△サトノノブレスと△アドマイヤスピカと△テイエムイナズマを押さえたい。
(血統研究家・ホームページ「ケヤキの向こう」)
バンデの4代母にあるスタミナの美しい凝縮
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◎ コラム 降板決定後 七番勝負 & 一番 ◎
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1000レース目。
エリザベス女王杯。名牝デニムアンドルビーにG1を
1001レース目。
マイルCS。コラムの1回目と1001回目は、テスコボーイの血で
1002レース目。
ジャパンC。ジェンティルドンナと デニムアンドルビーの 名牝決着
1003レース目。
JCダート。ベルシャザールの末脚一閃
1004レース目。
阪神JF。新潟2歳Sから、私はベタ褒めしたハープスター
1005レース目。
朝日杯。◎候補ミッキーアイル抽選除外で、A級配合のアトム
1006レース目。
19年の最終回は有馬記念。
秋天のリベンジ・好きな血ばかりが凝縮されたヴェルデグリーン
付録一番勝負。
AJC杯
有馬のリベンジ・ヴェルデグリーン
AJCC(「ホースレター」)
◎はヴェルデグリーン。G1でも秋天で◎を打ったが、その後、新
聞のコラムは理由なき降板を宣告され、意地で有馬でも◎を打った
が、意地は叶わなかった。オルフェーヴルの後ろから一緒にまくっ
ていったときは、坂下で一瞬来たかと思ったが、すぐ止まった。
「重賞・メイン全馬の軸馬指数」にも書いたが急仕上げぎみで、馬
体は良くなかった。今度は馬体はオールカマーほどではないが、少
し良いときに近づいてきた。ノーザンディクテイターの影響でベス
トは二千か二千二百かもしれない。右回りのコーナリングが芸術だ
から、ここで◎を打てば当分狙うレースもない。惜しみなく意地で
も◎。ダノンバラードは馬場悪化が鬼だが、天氣予報では朝にパラ
パラで終わるというから信じた(いつまでも天氣予報を信じて懲り
ない愚民なのだ)。
I shall .
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